株式投資で多くの投資家がチェックしている書籍に「会社四季報」というものがあります。「会社四季報」は非常に優秀なデータベースであり、将来有望な会社、銘柄を調べるうえでも、欠かせないツールです。
しかし、株式投資初心者にとっては、目が痛くなるぐらい小さな情報の塊で「何を見て良いのか?」さっぱりわからないのではないでしょうか。このページを上から下まで読んでいただければ「会社四季報」の見方、チェックすべきポイントが完全に頭に入ります。
「会社四季報」とは?
「会社四季報」とは
株式会社東洋経済新報社が発行している投資家向けの企業情報誌のこと
を言います。四半期に一回刊行されるため「四季報」と呼ばれています。四季報記者の取材により、企業寄りでも証券会社寄りでもない中立的・客観的な分析に定評があり、過去の記事・データをベースに独自で予想する「2期予想」が最大の売りとなっています。
企業情報誌ですから、書籍として本屋で販売されています。また、証券会社の口座を開設すると、無料でオンライン上の四季報データが閲覧できるようになっています。
- 3月発売「春号」:12月期の本決算と3月期の第3四半期(4~12月期)発表の結果を収録
- 6月発売「夏号」:前3月期決算の結果を収録
- 9月発売「秋号」:第1四半期(4~6月期)の結果を収録
- 12月発売「新春号」:9月中間決算の結果を収録
書籍の四季報
証券会社で見れる四季報データ
書籍と証券会社の四季報データはどっちをチェックすれば良いの?
書籍も、証券会社の四季報データも、どちらにもメリットデメリットがあるの。好きな方と状況に合わせて使い分けるべきね。
書籍の四季報のメリット
- 大量に銘柄の情報を頭に入れたい時に有効(パラパラとページを開きながら、気になった銘柄を詳しく見ることができる)
証券会社の四季報データのメリット
- 証券会社の口座開設で無料で見れる
- 情報が見やすい
- 情報更新が早い
- スクリーニング検索が可能
- スマホでも見れる
多くの銘柄を素早くチェックしたいなら書籍の四季報。基本的には情報が探しやすく、情報更新が速い証券会社の四季報データを見るのがおすすめよ。
「会社四季報」の見方
今回は、SBI証券の四季報データ「任天堂」を参考に解説します。
企業概要
7974 任天堂 にんてんどう [ その他製品 ]
【URL】https://www.nintendo.co.jp/
【決算】3月
【設立】1947.11
【上場】1962.1
【特色】ゲーム機ハード、ソフトで総合首位。海外シェア高い。ドル建て資産多く期末為替で経常益変動
【連結事業】ゲーム専用機97、スマートデバイス・IP関連収入等3、トランプ他0【海外】77 <21・3>
【小幅反落】巣ごもり特需が一服。ただスイッチ人気続き、新作ソフトはゼルダの伝説、ポケモンリメイク作など貢献。好採算の旧作ソフト、デジタル版も堅調。営業益反落も会社計画は慎重。為替差益見込まず。
【ピクミン】ナイアンティック社とピクミンのARモバイルアプリ共同開発、21年後半配信予定。ソフト『はじめてゲームプログラミング』6月発売、顧客層の拡大狙う。
【業種】 娯楽用品 時価総額順位 1/48社
【仕入先】ミネベアミツミ,ホシデン
【販売先】―
【比較会社】6758 ソニーG,9684 スクエニH,9697 カプコン
【本社】601-8501京都市南区上鳥羽鉾立町11-1 TEL075-662-9600
【東京支店】101-0054東京都千代田区神田錦町2-2-1 KANDA SQUARE【工場】宇治TEL0774-21-3191
【従業員】<21.3>連6,574名 単2,498名(39.6歳)[年]971万円
【証券】[上]東京[幹](主)野村(副)日興,三菱Uモル,大和,みずほ[名]三井住友信[監]PwC京都
【銀行】京都,三菱U,りそな
【連結】Nintendo of America
【外国人持株】 +1.9pt(+4.9pt) 前年 50.9%(3年前 47.9%) 【会社業績修正】 上方3 下方0 経常益÷期初会社予想 1.6倍
企業の基本情報
- 7974:証券コード(銘柄コード) 上場企業に割り当てられている4桁の数字の番号のこと
- 任天堂:企業名
- にんてんどう:企業名の読み方
- その他製品:分類
- 【決算】3月:決算月 本決算期(事業年度の末日)で末日の場合は「日」が省略される
- 【設立】1947.11:設立した年月
- 【上場】1962.1:上場した年月
特色
【特色】ゲーム機ハード、ソフトで総合首位。海外シェア高い。ドル建て資産多く期末為替で経常益変動
【特色】では、会社の主な特徴、ビジネスモデル、シェア、収益の特徴、資本系列、沿革などをほぼ1行という少ない文字数で表現されています。【特色】も常に情報が更新されていて、ここを見るだけで、その会社の概要を知ることができる重要な箇所です。
連結事業
【連結事業】ゲーム専用機97、スマートデバイス・IP関連収入等3、トランプ他0【海外】77 <21・3>
その会社の事業構成が一目でわかるようになっています。収益柱がわかります。
事業名の右側にある数字が売上に対する比率を表しています。
任天堂の場合は
- ゲーム専用機の売上が97%
- スマートデバイス・IP関連の売上が3%
- トランプその他の売上:0%
となっているため、ほぼゲームだけで収益を上げている会社であることがわかります。
ちなみに任天堂には記載がありませんが、
Zホールディングス (4689)
【連結事業】コマース69(13)、メディア28(44)、他2(-34) <21・3>
というように数字の右側に()付きの数字があった場合には、各事業の利益率を表しています。Yahoo!の運営企業であるZホールディングスの場合は、コマースの方が売上規模が大きいが、利益率はメディア事業の方が断トツに大きいことがわかります。
任天堂に話を戻すと
【海外】77 <21・3>
とあるのは、海外の売上比率です。日本からの輸出や海外の子会社が生産・販売した売上高が、全体の売上に占める割合です。
任天堂の売上は、77%が海外売上であることがわかります。
業績
【小幅反落】巣ごもり特需が一服。ただスイッチ人気続き、新作ソフトはゼルダの伝説、ポケモンリメイク作など貢献。好採算の旧作ソフト、デジタル版も堅調。営業益反落も会社計画は慎重。為替差益見込まず。
業績の状況・業績予想がわかりやすく、短い文章で書かれています。「今後、1年間の業績の見通し」です。
先頭の【小幅反落】で業績の状況を示します。
比較 | 対象 | プラスイメージ | 中立的 | マイナスイメージ | ||
---|---|---|---|---|---|---|
過去実績との比較 | 利益が対象 | 【絶好調】 | 【高水準】 | 【底入れ】 | 【微減益】 | 【減収減益】 |
【連続最高益】 | 【好 調】 | 【底打ち】 | 【小幅減益】 | 【均衡圏】 | ||
【飛 躍】 | 【好 転】 | 【鈍 化】 | 【減 益】 | 【赤字続く】 | ||
【最高益】 | 【復 調】 | 【伸び悩み】 | 【軟 調】 | 【急悪化】 | ||
【続 伸】 | 【増 益】 | 【横ばい】 | 【下 降】 | 【続 落】 | ||
【急 伸】 | 【堅 調】 | 【下げ止まり】 | 【反 落】 | 【急 落】 | ||
【連続増益】 | 【微増益】 | – | – | 【急反落】 | ||
【大幅増益】 | 【小幅増益】 | – | – | 【不透明】 | ||
【急拡大】 | – | – | – | 【ゼロ圏】 | ||
【V字回復】 | – | – | – | 【大赤字】 | ||
【急回復】 | – | – | – | 【大幅減益】 | ||
【急反発】 | – | – | – | – | ||
配当が対象 | 【連続増配】 | 【記念配】 | – | 【無配も】 | 【無配続く】 | |
【増配か】 | 【復配も】 | – | 【減配も】 | 【無 配】 | ||
【増 配】 | 【増配も】 | – | – | 【無配か】 | ||
【復配か】 | – | – | – | 【減 配】 | ||
– | – | – | – | 【減配か】 | ||
四季報前号との比較 | 利益が対象 | 【増益幅拡大】 | 【一転黒字】 | – | 【増益幅縮小】 | 【大幅減額】 |
【上振れ】 | 【減益幅縮小】 | – | 【一転赤字】 | 【下方修正】 | ||
【上方修正】 | – | – | – | 【減 額】 | ||
【増 額】 | – | – | – | 【下振れ】 | ||
【大幅増額】 | – | – | – | 【減益幅拡大】 | ||
会社側計画との比較 | 利益が対象 | 【独自増額】 | – | – | – | 【独自減額】 |
材料
【ピクミン】ナイアンティック社とピクミンのARモバイルアプリ共同開発、21年後半配信予定。ソフト『はじめてゲームプログラミング』6月発売、顧客層の拡大狙う。
株式投資の材料となりうる情報(工場新設、新商品、成長戦略、経営課題、トピックス、中期展望、会社の課題など)が記載されています。任天堂の場合は、開発したARアプリや販売ソフトの情報が記載されています。
業種
【業種】 娯楽用品 時価総額順位 1/48社
【業種】では、「業種(業界)」とその「業種(業界)」の中での時価総額の順位が記載されています。分類は、東洋経済業種分類」による業種名となります。
仕入れ先
【仕入先】ミネベアミツミ,ホシデン
主な仕入先の情報です。
ミネベアミツミは、電子機器部品のメーカーで、ホシデンは総合電子部品メーカーです。任天堂の場合は仕入先は、開発するゲーム機器の部品メーカーという位置付けになっています。
販売先
【販売先】―
主な販売先の情報です。
任天堂の場合は、販売先はエンドユーザーですので記載がありません。BtoBの場合は、販売先に企業名が表示されます。
比較会社
【比較会社】6758 ソニーG,9684 スクエニH,9697 カプコン
比較会社とは、会社四季報編集部が独自に選考した「同業あるいは類似業種の上場企業」(証券コードと社名)を最大3社掲載しています。
言ってみれば「競合会社(ライバル企業)」のことです。競合の業績も、重要なチェックすべき情報ですので、重要な項目と言えます。
本社、支店
【本社】601-8501京都市南区上鳥羽鉾立町11-1 TEL075-662-9600
【東京支店】101-0054東京都千代田区神田錦町2-2-1 KANDA SQUARE【工場】宇治TEL0774-21-3191
本社の住所、支店、営業所、工場、店舗の住所、連絡先が掲載されています。
従業員
【従業員】<21.3>連6,574名 単2,498名(39.6歳)[年]971万円
従業員数です。
- 「連」連結子会社も含めた従業員数
- 「単」会社単独での従業員数
- ()は平均年齢
- [年]は平均年収。税込み、残業料・諸手当・賞与を含んだ金額
任天堂の場合は
- 2021年3月(直近の本決算)の時点で
- 連結子会社も含めた従業員数:6,574名
- 会社単独での従業員数:2,498名
- 会社単独での従業員の平均年齢:39.6歳
- 会社単独での従業員の平均年収:971万円
ということを意味しています。
証券
【証券】[上]東京[幹](主)野村(副)日興,三菱Uモル,大和,みずほ[名]三井住友信[監]PwC京都
幹事証券が表示されています。
幹事証券とは
株式などの公募や売り出しの際に、発行会社や所有者を代行して、募集や売出しなどを行う証券会社のこと
を言います。
[上]:上場している取引所市場 | 区分 | 表記 |
---|---|---|
東京 | 東証1部 | 東京 |
東証2部 | 東京2 | |
マザーズ | 東京マ | |
(ジャスダック) | スタンダード | JQ(S) |
グロース | JQ(G) | |
名古屋 | 名証1部 | 名古屋 |
名証2部 | 名古屋2 | |
セントレックス | 名古屋セ | |
札幌 | 札証 | 札幌 |
アンビシャス | 札幌ア | |
福岡 | 福証 | 福岡 |
Qボード | 福岡Q | |
4市場 | 4市場 | 4市場 |
- [幹]:幹事証券会社
- (主):主幹事
- (副):副幹事
- [名]:株主名簿管理人
- [監]:会計監査人
- 「自社」:自社で行っているという意味
銀行
【銀行】京都,三菱U,りそな
主な取引銀行が記載されています。中央銀行は除かれます。
連結
【連結】Nintendo of America
連結子会社のことです。
連結子会社とは
連結子会社は親会社が議決権を50%以上握っている会社のこと
を言います。
外国人持株
【外国人持株】 +1.9pt(+4.9pt) 前年 50.9%(3年前 47.9%)
外国人持株比率の1年前比、3年前比の増減と、1年前と3年前の外国人持株比率を掲載しています。
任天堂の場合は、3年前47.9%だった外国人持ち株比率が1年前には50.9%に3ポイント増加しているということを意味します。
会社業績修正
【会社業績修正】 上方3 下方0 経常益÷期初会社予想 1.6倍
【会社業績修正】は、過去3決算期について、会社が公表した期初経常利益予想を修正した回数を、上方修正と下方修正に分けて掲載しています。
上方修正が多い会社は、固く業績予想をしていることになりますし、下方修正が多い会社は、楽観的な業績予想をしていることになります。
株主
【株主】 [単]30,763名<21.3> 万株
自社(自己株口) 1,254 (9.5)
日本マスター信託口 887 (6.7)
日本カストディ信託口 584 (4.4)
JPモルガン・チェース・バンク380815 584 (4.4)
京都銀行 488 (3.7)
野村信銀信託口(三菱U銀) 421 (3.1)
CBNYフォー・デポジタリー・シェアホルダーズ 226 (1.7)
ステートストリートBウエストトリーティ505234 181 (1.3)
ディー・エヌ・エー 175 (1.3)
日本カストディ信託口5 175 (1.3)
<外国> 52.8%<浮動株> 5.4%
<投信> 7.7%<特定株> 37.8%
【株主】は、その名の通り株主の情報です。
- 【株主】 [単]30,763名<21.3> 万株
の部分は
この株の株主が2021年3月時点で、30,763名いるということを示しています。
その下のリストは、「株主名簿上位10名の名前」と「株式数(単位:万株)」と「持株比率」です。
任天堂の場合は、株主のトップは、自社株であることを意味しています。
<外国> 52.8%<浮動株> 5.4%
<投信> 7.7%<特定株> 37.8%
- <外国>:外国法人の持つ株式比率
- <投信>:投資信託に組み込まれている株式比率
- <浮動株>:個人投資家が保有している株式比率
- <特定株>:株主名簿上位10名と役員持株・自己株式の株式比率
を表しています。
任天堂の場合は、外国法人が半数以上の株を保有し、大株主が約4割を保有し、個人投資家は5%しか保有していない銘柄ということになります。
役員
【役員】
(社長)古川 俊太郎
(取締)宮本 茂
(取締)高橋 伸也
(取締)塩田 興
(取締)柴田 聡
(取締)C.メレダンドリ*
(取締監査)野口 直樹
(取締監査)梅山 克啓*
(取締監査)山嵜 正雄*
(取締監査)新川 麻*
【役員】は、その銘柄の企業の役員の一覧です。社長以下の役員の名前が記載されます。役員の交代などがある場合は()で日付が記載されます。
財務状況
業績
【業績】 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 1株益(円) | 1株配(円) |
---|---|---|---|---|---|---|
連17. 3 | 489,095 | 29,362 | 50,364 | 102,574 | 853.9 | 430 |
連18. 3 | 1,055,682 | 177,557 | 199,356 | 139,590 | 1,162 | 590 |
連19. 3 | 1,200,560 | 249,701 | 277,355 | 194,009 | 1,616 | 810 |
連20. 3 | 1,308,519 | 352,370 | 360,461 | 258,641 | 2,171 | 1090 |
連21. 3 | 1,758,910 | 640,634 | 678,996 | 480,376 | 4,033 | 2220 |
連22. 3予 | 1,700,000 | 580,000 | 560,000 | 392,000 | 3,291 | 1600 |
連23. 3予 | 1,650,000 | 520,000 | 500,000 | 350,000 | 2,938 | 1430 |
連20.4~9 | 769,524 | 291,424 | 297,496 | 213,123 | 1,789 | 810 |
連21.4~9予 | 560,000 | 190,000 | 180,000 | 126,000 | 1,058 | 520 |
会22. 3予 | 1,600,000 | 500,000 | 480,000 | 340,000 | – | (21.5.6) |
期間
連17. 3
連18. 3
連19. 3
連20. 3
連21. 3
連22. 3予
連23. 3予
連20.4~9
連21.4~9予
会22. 3予
というのは「いつの業績か?」を示すものです。
- 連17. 3 → 2017年3月期(2016年4月~2017年3月)の実績
- 連18. 3 → 2018年3月期(2017年4月~2018年3月)の実績
- 連19. 3 → 2019年3月期(2018年4月~2019年3月)の実績
- 連20. 3 → 2020年3月期(2019年4月~2020年3月)の実績
- 連21. 3 → 2021年3月期(2020年4月~2021年3月)の実績
- 連22. 3予 → 2023年3月期(2021年4月~2023年3月)の予想
- 連23. 3予 → 2023年3月期(2023年4月~2023年3月)の予想
- 連20.4~9 → 2021年3月期上期(2020年4月~2020年9月)の実績
- 連21.4~9予 → 2023年3月期上期(2021年4月~2021年9月)の予想
- 会22. 3予 → 2023年3月期(2021年4月~2023年3月)の会社発表の業績予想
を意味します。
- 「連」:連結決算(日本基準)ベース
- 「◎」:連結決算(米国 SEC 基準)ベース
- 「◇」:連結決算(国際会計基準)ベース
- 「単」:単独決算(日本方式)ベース
- 「□」:単独決算(国際会計基準)ベース
- 「中」:第2四半期決算(中間決算)
- 「四」:第1・第3四半期決算
- 「会」:会社発表の業績予想
売上高
会社が商品やサービスを提供して得た収入の合計額のこと
営業利益
本業で得られた利益のこと。売上高から本業の経費を差し引いたもの
経常利益
本業以外の活動も含めて得られた利益のこと。営業利益に本業以外で行っている活動の損益を加えて計算されたもの
純利益
税引き後利益のこと。経常利益から特別損失(一時的な利益や損失)を加えて、さらに税金を差し引いた利益のこと
1株益(円)
1株あたりの純利益(税引き後利益)のこと。純利益/発行済株式数で計算される
1株配
1株あたりの配当の額のこと。1株につきもらえる配当の金額
配当
【配当】 配当金(円)
19. 3 640
19. 9 270
20. 3 820
20. 9 810
21. 3 1410
21. 9予 520
22. 3予 1080
予想配当利回 2.36%
BPS(円) <連21. 3> 15,735 (12,934)
本決算期末・第2四半期決算期末(中間決算期末)・第1・第3四半期決算期末等配当基準年月ごとの 1 株当たり配当金が表示されています。(記念配当、特別配当等も含む)
「予」と書いてあるのは予想です。
予想配当利回
予想される配当の利回りのこと。
予想配当利回 = 予想1株当たり配当金 / 株価 × 100
BPS
1株当たり純資産のことで
BPS = 純資産 / 発行済株式数
株式
【株式】 4/30 131,669千株
売買単位100株 [貸借]
時価総額 89,139億円
売買単位
売買単位とは、 1売買単位あたりの口数を示すものです。
- 売買単位:100株
となっているということは、100株単位でしか購入できないということです。
- [貸借]:貸借銘柄(信用取引・空売りができる銘柄のこと)
- [優待]:株主優待がある銘柄
- [225]:日経平均採用銘柄
時価総額
時価総額、つまり企業の価値のこと。
時価総額 = 株価 × 発行済株式数
キャッシュフロー
【キャッシュフロー】 億円
営業CF 6,121 ( 3,477)
投資CF -1,365 (-1,884)
財務CF -1,949 (-1,110)
現金等 9,320 ( 6,214)
キャッシュフローとは
現金・お金の流れを意味し、企業活動や財務活動によって実際に得られた収入から、外部への支出を差し引いて手元に残る資金のこと
- 営業CF(営業キャッシュフロー):営業活動によるキャッシュフローのこと
- 投資CF(投資キャッシュフロー):投資活動によるキャッシュフローのこと
- 財務CF(財務キャッシュフロー):財務活動によるキャッシュフローのこと
- 現金等:上記3つのキャッシュフローの結果、手元に残った現金・預金や3カ月以内の短期投資など現金同等物の期末残高
- マイナスの場合は、資金が流出を示す
- 何もない数字の場合は、プラスを意味し、資金の流入を示す
指標等
【指標等】 <連21.3>
ROE 28.1% 予20.9%
ROA 19.6% 予16.0%
調整1株益 ―円
最高純益(21.3) 480,376
設備投資 179億 予180億
減価償却 107億 予‥億
研究開発 932億 予950億
ROE
ROEは、自己資本利益率のことを言います。
ROE = 純利益 / 期末自己資本 × 100
ROA
ROAは、総資産利益率のことを言います。
ROA = 純利益 / 総資産 × 100
調整1株益
新株予約権・種類株式等を発行している会社で、潜在株式(未行使の新株予約権)がすべて行使されたと仮定したときの潜在株式調整後1株当たり利益のことを言います。
最高純益
業績欄掲載の直近本決算ベースでの過去最高の純利益
設備投資
工事ベース(年間の工事実施額)で、自社の有形および無形固定資産に対する投資の合計額
減価償却
減価償却費のこと。有形固定資産および無形固定資産の年間償却実施額の合計
研究開発
研究・開発・試験のための人件費、原材料費、設備装置購入費、その他の経費の合計
財務
【財務】<連21.3> 百万円
総資産 2,446,918
自己資本 1,874,370
自己資本比率 76.6%
資本金 10,065
利益剰余金 1,993,325
有利子負債 0
総資産
貸借対照表の「資産の部」を合計した数値
自己資本・自己資本比率
純資産の部で「株主のもの」と考えられる「株主資本」(資本金、資本剰余金、利益剰余金の合計から自己株式を引いたもの)と「その他の包括利益累計額」(その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、土地再評価差額金、為替換算調整勘定などの合計)を合計した数値
自己資本比率
総資産に占める自己資本の割合
自己資本比率 = 自己資本 / 総資産
資本金
決算期末時点の資本金
利益剰余金
株主資本から資本金と資本剰余金、自己株式等を除いたもの
利益剰余金 = 株主資本 - 資本金 - 資本剰余金 - 自己株式
有利子負債
有利子負債の合計
資本異動
資本異動
年月 | 万株 | |
---|---|---|
87.1 | 無1:0.1 | 5,830 |
88.1 | 無1:0.2 | 6,996 |
89.1 | 無1:0.5 | 10,494 |
91. 5 | 無1:0.35 | 14,166 |
19. 3 | 消却 | 13,166 |
資本異動では、増資などによる発行済株式数の推移を示しています。単位は1万株です。
- 有:額面割当有償増資または有償割当増資
- 分:株式分割
- 併:株式併合
- 無割:無償割当(種類株や新株予約権割当を含む)
- 公:公募(時価発行増資、発行済み株式数が増加しない売り出しは含みません)
- 中:中間時価発行
- 三者:第三者割当増資
- 消却:自己株式の消却
- 優:優先株の発行
- 現物出資:金銭以外の財産による出資
- 縁故:縁故募集
- 株:株式配当
- 無:無償
上場来高値・安値
東証 | 高値 | 安値 |
---|---|---|
62-19 | 73200(07) | 90(65) |
20 | 67880(12) | 31880(3) |
21.1-5 | 69830(2) | 57610(3) |
「上場してら最高値がいつでいくらか?」「上場してから最安値がいつでいくらか?」が表示されます。
年初来高値・安値
年月 | 高値 | 安値 | 出来万株 |
---|---|---|---|
21.3 | 66050 | 57610 | 2,197 |
4 | 66150 | 60550 | 1,518 |
5 | 68400 | 59700 | 1,990 |
今年の月別の高値・安値・出来高が表示されます。
四季報の一つ一つの意味が分かったんだけど、情報が多すぎて何を見ていいのかは、さっぱりわからないよ。
四季報のすべてを把握する必要はないの。
チェックすべきポイント、見るべきポイントを抑えておけば、十分よ。
初心者は「四季報」のここだけチェックすれば良い!
四季報の情報を見る目的は、四季報を読破することではありません。
あくまでも、四季報の情報は、企業の情報を把握し、「株価が上がる銘柄を選ぶこと」を目的とすべきです。
そうなると、前述したすべての四季報の情報を頭に入れる必要はなく、いくつかのチェックポイントだけ見れば良いのです。
1.業績が10%以上上昇している企業に着目する
四季報には3,000社を超える企業の情報が掲載されています。この企業の数の情報に目を通していたら、キリがありません。
そこで、まず着目するのが「業績」です。
- 直近の売上高が前年比10%以上伸びている企業
- 直近の営業利益が前年比10%以上伸びている企業
- 今期予想・来期予想の営業利益率が10%以上の企業
です。
直近の売上高が前年比10%以上伸びている企業
着実に売上規模が大きくなっている企業であることを意味します。業界が伸びているか?その業界でのシェアが伸びていることを意味します。
直近の営業利益が前年比10%以上伸びている企業
着実に利益額が大きくなっている企業であることを意味します。売上だけが伸びて、利益が横ばいか下がっているとなると、無理な売上拡大をしている懸念が出てきますが、利益も伸びているのであれば、業績が伸びている企業と判断できるからです。
今期予想・来期予想の営業利益率が10%以上の企業
営業利益率は、2%~3%が平均的な水準です。営業利益率が高い企業というのは、高い商品価格、サービス提供価格でも、ニーズがある商品・サービスを提供している企業ということを意味します。つまり、優秀な企業ということです。
四季報の「業績」部分を第一段階でチェックして、優良な企業だけを残す作業をするということです。
2.予想PERの倍率で15倍以下の企業(割安な株)に絞り込む
「何年で投資した資金が回収できるのか?」を示す指標です。株価の割安・割高を判断する指標として使われています。
PER = 株価 / 1株あたりの利益
(1株あたりの利益 = 当期純利益 / 発行済株式数)
四季報の予想「1株益(円)」と「株価」を見れば、予想PERは簡単に判断できます。
任天堂の場合は
- PER = 株価:52,270円 / 1株あたりの利益:3,291円 = 15.88倍
となります。
つまり、
予想PERを15倍以下に絞り込むことで「業績の良い企業の中で、かつ割安な株」に絞り込む
ことができるのです。
3.企業の事業内容をチェックする
「業績の良い企業の中で、かつ割安な株」に絞り込んでから、はじめて文章を見ることになります。
- 【特色】 → ビジネスモデルを把握する
- 【連結事業】 → 主力の事業を把握する
- 業績予想 → 今後、1年間の業績の見通しを把握する
この3つの文章を読めば、その企業のだいたいの状況、今後の業績の見通しを知ることができます。
そこから、自分の実体験を踏まえて「今後、企業として伸びる余地があるのか?」また、「その実現可能性はどのくらいなのか?」をイメージします。
自分で使うことができる商品や行くことができる店舗の場合は、イメージを具体化させるために使ってみることも一つの方法と言えます。
また、トピックとして投資材料の情報も書かれています。投資家から見て、サプライズになりうる材料がある企業は、株価が急上昇する可能性があり、チェックすべき銘柄となります。
4.チャートの形状をチェックする
- チャートが右肩上がり → 今後も伸びる可能性が高い
- チャートが右肩下がり → 今後も株価が下がる可能性が高い
ことを意味します。
1、2、3、のチェックポイントで優良企業であることはわかっているのですから、それでも、チャートが下がっているのであれば何かネガティブな材料があるということに他なりません。
株式投資の初心者の場合は、右肩下がりのチャートの企業に投資した方が失敗するリスクは抑えられるのです。
5.営業キャッシュフロー(営業CF)をチェックする
営業キャッシュフロー(営業CF)とは
本業を行った結果として、手元のお金がいくら「増えたか」または「減ったか」を計る数値のこと
を言います。
純粋なお金の出入りを示す数値ですから、営業キャッシュフローは「改ざんがしにくい」特徴があります。ごまかしがきかないのです。
売上高であれば、知り合いの企業とバーター取引をしている可能性もありますし、営業利益もコストを来期に持ち越すなど、会計上ごまかして数字を良くしている可能性があります。
しかし、営業キャッシュフローはごまかしが効かないのです。
2期連続で営業キャッシュフローがマイナス → 投資は避けた方が良い
と考えましょう。
営業キャッシュフローがマイナスというのは、本業でお金が生まれていない、出ていってる状況です。これが2期連続するということは、本業が思わしくないことを意味します。投資対象からは外すべき銘柄となります。
まとめ
四季報 = 株式会社東洋経済新報社が発行している投資家向けの企業情報誌のこと
精度の高い企業分析が売りであり、証券会社の口座開設で無料で見れるため、多くの投資家が投資判断に活用するツールとなっています。
四季報の情報をすべて把握する必要はなく、初心者であれば、重要な部分をチェックするだけで、良い企業、良い銘柄を見つけることができます。
- 業績が10%以上上昇している企業に着目する
- 予想PERの倍率で15倍以下の企業(割安な株)に絞り込む
- 企業の事業内容をチェックする
- チャートの形状をチェックする
- 営業キャッシュフロー(営業CF)をチェックする
ぜひ、四季報の情報を活用しましょう。