株とは
- 利会社が資金を集めるための手段のひとつ
- 投資家が株を買えば、その会社のオーナーになれる
- 株は、買いたい人が増えれば高くなる
- 株を高くなってから売却すれば、その価格差が儲けとなる
株とは?
会社が資金を集めるための手段のひとつ
会社を経営するという時には、いろいろなお金が必要になります。
- オフィスの家賃
- 人件費
- 光熱費
- 広告宣伝費
- 開発費
- 外注費
会社の規模が大きくなればなるほど、数千万円、数億円、数十億円という規模のお金が必要になります。
経営者は
- 自己資金
- 銀行からの借入
- 会社の利益
- 資本金
から捻出して資金を作りだすのです。
上記の資金では会社の資金を賄えないケースも出てきます。そのような場合に、資金を集める方法の一つとして「株」というものが存在するのです。
会社は株を発行することで、資金を集めるのですが、見返りもなく資金をくれる人はいませんから
「事業がうまくいったら、利益を分配するので、株を買ってくれませんか?」
という条件を出すことで、株を売って、資金を集めるのです。
これが「株」です。
少し難しく言えば、株は「出資証券」というその企業にお金を出したことを証明する書類のことをいうのです。
投資家が株を買えば、その会社のオーナーになれる
「株を買う」 = 「その株を発行する会社のオーナーになる」
ということを意味しています。
- その会社が発行している株をすべて買えば → あなただけがその会社のオーナーになれる
- その会社が発行している株の半分の株を買えば → あなたはその会社の50%の権限があるオーナーになれる
- その会社が発行している1%の株を買えば → あなたはその会社の1%の権限があるオーナーになれる
トヨタ自動車であれば
発行済株式数 3,262,997,492株 ※2021/6/8時点
の株が発行しています。
株価が9,852円ですから、9852円で1株を買うと、1/3,262,997,492の割合でトヨタ自動車のオーナーになれるということになるのです。
会社のオーナーになると、なんかいいことあるの?
当然だけど、オーナーになるメリットがあるから、投資家はお金を出して株を買うのよ。
会社のオーナーになるメリット
株を購入したオーナーのことを「株主(かぶぬし)」と呼びます。
株主になると
- 利益から配当(分け前)をもらうことができる
- 株主総会に出席して、会社の経営方針に対して意思表示できる
- 株主優待があれば、商品や割引券などをもらうことができる
メリットがあります。
利益から配当(分け前)をもらうことができる
オーナーになった会社が利益が出ている状態だと、オーナーはその利益から分け前「配当(はいとう)」を受け取ることができます。配当は、持っている株数に応じて受け取ることができます。多くの株を持っている人の方が高額の配当を受け取ることができるのです。会社の利益がでないときは、配当も出ない(0円)になってしまいます。
株主総会に出席して、会社の経営方針に対して意思表示できる
オーナーになると会社の経営方針を決定する「株主総会(かぶぬしそうかい)」に参加することができます。株主総会で質問をすることもできますし、持ち株比率が高ければ、経営陣の退陣を要求することもできるのです。オーナーは経営に参画できるメリットがあります。
株主優待があれば、商品や割引券などをもらうことができる
会社は、株主に対して配当以外に「株主優待(かぶぬしゆうたい)」という特典を付与することがあります。株主優待は、その会社の商品の割引券やサービスの無料利用権などが主になります。例えば、マクドナルドであれば、バーガー類、サイドメニュー、ドリンクの商品お引換券。イオンであれば、買い物5%キャッシュバックなど、魅力的な株主優待も少なくありません。
多くの株主は、株主総会に出席して質問したり、議決権を行使したりしないため、大半の株主はお金を出して株を買うことで「配当や株主優待がもらえる」ことを期待して株を購入するのです。あとは、後述しますが株の値上がりによる儲けを期待して株を購入します。
会社の利益とオーナーへの配当の関係
会社の利益は、株主のもの
というのが、株の考え方です。
会社に利益が出たら、その利益を株主に配当(はいとう)という形で還元する必要があるのです。
働いている人からすると、会社の利益が出たら、働いている人の給料として考えんしてほしいと思うものじゃないの?
それも一つの考え方だけど、会社は働いている人だけで成り立つものではないのよ。株主がいるから資金が増えて、会社運営が継続する側面もあるの。
すべての利益を社員の給料として還元してしまって、株主をないがしろにしてしまったら、株主が株を手放し、資金調達ができなくなって、会社運営に支障がでて、結果億、働いている人の給料にマイナスの影響がでてしまうの。
会社のルールの中で、業績が上がった分は、給与やボーナスとして社員に還元し、その上で出た利益は株主に配当という形で還元するのが理想的な形と言えるわね。
配当するのは義務なの?
義務ではないわ。ただし、利益が出ているのに配当をしない会社には、だれも株を買いたいと思わらないから、義務ではないけれども、多くの企業は利益が出たら、配当という形で株主に還元するの。
会社の利益を、均等に株主に配当するものなの?
利益をすべて株主に配当するわけではないの。
会社には資金が必要で、将来の投資や不測の事態への対応のために一部資金を残しておく必要があるの。
一部資金を残したとしても、余った資金を株数で割って、株主に配当という形で還元する形になるわ。
一部残す資金のことを「内部留保(ないぶりゅうほ)」と言うの。
会社の収入(売上) = 経費(給料・人件費) + 利益
利益 = 配当 + 内部留保
企業は、一定の内部留保分を残して、内部留保を将来への投資に回すことで、さらに利益を伸ばすことを考えます。利益が伸びれば、その利益分がまた配当として株主に還元されます。
結果として、利益は、今すぐ受け取れる「配当」、将来の受け取れる可能性がある「内部留保」にわかれますが、結局はどちらも株主に還元されるため、「会社の利益 = 株主のもの」ということになるのです。
株は、買いたい人が増えれば高くなる
株というのは「証券取引所で売買されるもの」です。
証券取引所が取引の仲介者となって「株を買いたい人」と「株を売りたい人」をマッチングするのです。証券取引所で注文を出すためには、証券会社の口座が必要になります。
つまり、
株を買いたい人 → 証券会社 → 証券取引所 ← 証券会社 ← 株を売りたい人
基本的には
「買いたい人の価格」と「売りたい人の価格」が一致したときに売買が成立「約定(約定)」し、価格が決まります。
会社によって異なりますが、「買いたい人」「売りたい人」は数万人以上いるため、「買いたい人の価格」と「売りたい人の価格」を一致する動きが継続的に行われるため、株の価格「株価(かぶか)」も、証券取引所が開いている間は、常に変動しつづけるものなのです。
株を発行する企業が価格を決めるのは、上場するときの一番はじめだけです
株価 = 一番最近約定した価格
「売りたい人」よりも「買いたい人」が多ければ、需要と供給の関係ですから、どんどん株価は上がっていきます。
100円の株価の株があったとして
「俺なら、105円出すよ。」
「俺なら、110円出すよ。」
「私なら、120円出すよ。」
・・・
と、買いたい価格が上昇すれば
「まあ、120円なら売ってあげてもよいか。」
と、売る人も少しでも高く売ろうとするので、価格がどんどん上昇していくのです。
どういう時に買いたい人が増えるの?
いろいろな要因があるけれど
「今よりも、将来もっと価格が上がりそうな要因がある(新商品、業務提携、決算発表が良いなど)」
「魅力的な株主優待を用意した。」
「配当を増やす発表した。」
「大手企業と合併が発表された。」
など、様々な要因が「株を買いたい」と思う理由になるわ。
また、「買いたい人」よりも「売りたい人」が多い場合には、株価は下がっていきます。
株を高くなってから売却すれば、その価格差が儲けとなる
株を購入するメリットは前述した通りで、以下の3つなのですが
- 利益から配当(分け前)をもらうことができる
- 株主総会に出席して、会社の経営方針に対して意思表示できる
- 株主優待があれば、商品や割引券などをもらうことができる
これは株を保有している時に得られるメリットです。
「配当」「株主優待」よりも、大きなメリットが「株の値上がり益」です。
株価は、買いたい人が増えれば増えるほど、値上がりします。
株価が1万円の時に購入して、株価が10万円の時に売却すれば、その差9万円が「値上がり益」となるのです。
そんなに値上がりする株なんてあるの?
10年~20年あれば、10倍以上になる株は珍しくありません。
値上がり幅が大きい銘柄例
ファーストリテイリング <9984>
1997年1月1日 522円 → 2020年1月1日 92,470円 177.1倍
日付 | 終値 |
---|---|
2020/1/1 | 92,470 |
2019/1/1 | 65,000 |
2018/1/1 | 56,370 |
2017/1/1 | 44,910 |
2016/1/1 | 41,830 |
2015/1/1 | 42,640 |
2014/1/1 | 44,040 |
2013/1/1 | 43,400 |
2012/1/1 | 21,840 |
2011/1/1 | 14,000 |
2010/1/1 | 12,930 |
2009/1/1 | 17,470 |
2008/1/1 | 12,980 |
2007/1/1 | 7,980 |
2006/1/1 | 11,360 |
2005/1/1 | 11,530 |
2004/1/1 | 7,800 |
2003/1/1 | 6,510 |
2002/1/1 | 4,180 |
2001/1/1 | 5,830 |
2000/1/1 | 11,190 |
1999/1/1 | 10,400 |
1998/1/1 | 499 |
1997/1/1 | 522 |
サイバーエージェント <4751>
2000年1月1日 17円 → 2020年1月1日 1,777円 104.5倍
日付 | 終値 |
---|---|
2020/1/1 | 1,777 |
2019/1/1 | 953 |
2018/1/1 | 1,061 |
2017/1/1 | 1,100 |
2016/1/1 | 722 |
2015/1/1 | 628 |
2014/1/1 | 566 |
2013/1/1 | 535 |
2012/1/1 | 221 |
2011/1/1 | 312 |
2010/1/1 | 221 |
2009/1/1 | 205 |
2008/1/1 | 68 |
2007/1/1 | 110 |
2006/1/1 | 160 |
2005/1/1 | 335 |
2004/1/1 | 243 |
2003/1/1 | 93 |
2002/1/1 | 14 |
2001/1/1 | 27 |
2000/1/1 | 17 |
ソフトバンクグループ <9984>
1994年1月1日 244円 → 2020年1月1日 8,058円 33.0倍
日付 | 終値 |
---|---|
2020/1/1 | 8,058 |
2019/1/1 | 4,756 |
2018/1/1 | 3,652 |
2017/1/1 | 4,460 |
2016/1/1 | 3,882 |
2015/1/1 | 3,069 |
2014/1/1 | 3,605 |
2013/1/1 | 4,600 |
2012/1/1 | 1,570 |
2011/1/1 | 1,133 |
2010/1/1 | 1,405 |
2009/1/1 | 1,085 |
2008/1/1 | 801 |
2007/1/1 | 1,155 |
2006/1/1 | 1,157 |
2005/1/1 | 2,490 |
2004/1/1 | 831 |
2003/1/1 | 546 |
2002/1/1 | 225 |
2001/1/1 | 353 |
2000/1/1 | 661 |
1999/1/1 | 5,433 |
1998/1/1 | 377 |
1997/1/1 | 188 |
1996/1/1 | 349 |
1995/1/1 | 464 |
1994/1/1 | 244 |
2000年1月1日にサイバーエージェントの株を1,000株17,000円で購入していたとしたら、2020年1月1日には、177万円になっていた計算になるのです。株の値上がり益は、176万円です。
2000年1月1日にサイバーエージェントの株を1万株17万円で購入していたとしたら、2020年1月1日には、1,777万円になっていた計算になるのです。株の値上がり益は、1,760万円です。
1万7,000円なら、僕でも、すぐに出せるよ。それが176万円になるなんて、値上がり益ってすごい!
だからこそ、株式投資の投資家は、値上がり益を狙って、株を買ってるのよ。
多くの方が株を買う最大の理由は「値上がり益」なのです。
今後、株価が上がりそうな会社の株を株価が安い時に買っておけば、将来大きな値上がり益を受け取れる可能性があるのです。「安く買って、高く売る」これが値上がり益を得る最大の方法であり、株式投資をする投資家の多くは、この値上がり益を狙ってトレードをするのです。
まとめ
株とは
会社が資金を集めるために発行して、売却するものであり、購入した投資家は、株を購入することでその会社のオーナーになることができます。
会社のオーナーになると
- 会社の利益が出たら、配当として利益が分配される
- 会社の用意した株主優待で割引や無料券などのメリットがある
- 会社の経営に参画できる
- 株価が上がることで値上がり益を狙うことができる
というメリットがあるのです。
「株とは何か?」の大まかな理解はできたでしょうか?次は、株のメリットである「株主優待」と「配当」について解説します。